終活とは?
「終活」という言葉があまりにも一般的に知られているので、ここでも使っていますが、私自身は「生前整理」という言葉のほうを好みます。「終活」という単語にある「終」の漢字がどうしても「終=死」と連想される方がとても多いと思うので、「終活」と聞くとマイナスの暗いイメージを持たれるのではないでしょうか?
「終活」という言葉の捉え方はいろいろあると思いますが、私は「いつか迎える最後の日までの日々を、自分らしく生きるためにする活動」だと思っています。
決して「人生が終わることへの活動ではなく、死にゆく準備をすることではない」「これからまだある人生をよりよく生きるための手助けになる」と思っています。
残念なことですが生まれてきた以上、いつか最後を迎える日が来ます。このブログを今こうして読んで頂いているあなたが何歳であれ、いつか最後の日が来ます。私にも来ます。あなたにもきます。これは誰でも一緒です。それまでの残された「1日1日を自分らしく、楽しく、たくさんの笑顔と共に過ごしたい」と思いませんか?
「これからの残りの人生を充実させたい」「モノを整理してスッキリした部屋で暮らしたい」「家族に負担になることをさせたくない」「なんとなく不安なことがある」と思われる方は、終活をできるところから、本当に小さな1つのことからでいいので、出来るだけ早く始めることをお勧めしています。
終活としての活動には、いろいろなことがあります。遺言、エンディングノート、介護、葬儀、お墓、動産・不動産などの財産関係、モノの整理、人間関係の整理、ペットのことなど、人それぞれ違いはあれ、共通するものも多いでしょう。
私の考えからここではその中でも「エンディングノート」と「モノの整理」に焦点を当てて書くことにしました。
終活をするメリットとは
終活を始めることのメリットのまず1つは、今いる「現在地点を確認する」ことができることです。
「モノの整理」をしたり「エンディングノート」を書いたり、と1つずつ進めていくなかで「今までの人生を振り返っていく」ことになります。
財産などに関することを1つ1つ書き出して整理することでは「今の経済状況を把握」して「これからどうすればいいかを考える機会」になります。モノを1つ1つ整理して不要なモノを減らし、自分が大好きで必要なモノだけにすることで、「安全で快適に毎日を過ごせる家」にすることができます。
そしてその過程のなかで「家族への思い」や「今まで関わってきたきた人達への思い」が出てくれば、それらを書いたり、会って直接伝えることもできます。
「やりたいと思っていたけどまだやれていなかった事」などが出てくれば、1つでも多くやるきっかけを作ることができます。
介護や延命治療、葬儀、お墓のことなどに対する「自分の希望を伝える」こともできます。
老後を考えたときに「なんとなく不安」な方は多いのではないでしょうか? 終活をすることは、その不安が何なのか?1つ1つ見つめて、その不安を1つ1つ減らしていくにはどうすればいいか?と考えるきっかけになります。
出来るところから、まずは’ゆるり’と始めてみませんか?
終活いつから始める? 何歳から? やるタイミングは?
終活を始めるのに決まった年齢はありません。
「やろう!」と思ったときが始め時です。何歳からでもいいのです。
そして「何もやらない」と決めるのもあなたです。あなたの人生ですから。
一般的には、定年を迎えたときやお子さん達が独立して家を出たときなどが、始めるきっかけとなる方が多いのではないでしょうか?定年となり今までの仕事が終わり、時間をたくさん自分のために使えるようになります。お子さん達が家からいなくなり、する家事も減り、自分に使える時間が多くなりますよね。
片付けしていくためには「気力と体力、判断力が必要」です。
判断力がないと、モノを1つ1つ見ていくときに「いるか、いらないか?」「使うか、使わないか?」を決めていくことができません。あなたのモノにはあなたにしか分からない思い出だったり、物語、ストーリーがあります。あなたの家族にはそれがどんなものなのかは分かりません。悲しいことですが、判断力はだんだんと衰えていくものです。あなたに大事にしたいものがあればあるほど、まだしっかりと判断ができるうちに始めることが大切です。
そして片付けを続けていくには、気力が必要です。楽しくて仕方がないことだったり、やらないと毎日に支障をきたすようなことだったら、とっくにやっていますよね。日々やらなくても特に困らない、なんとかなってきているので、今まで手をつけていないわけです。そのことをこれからやっていくには、気力がないと続きません。
そして、体力。片付けを始めると「モノを移動させる」ことが多くなります。天袋や棚の上にあるモノを降ろしたり、重いアルバムや食器を動かしたり、家具を移動させたりということが出てきます。片付けをしていて踏み台や脚立などにのりバランスを崩してケガなどしては大変です。体力的にご自分でするのは無理な方はご家族や友人、あるいは片付けのプロの方のサポートが必ず必要です。無理は絶対にしないでください。
私自身が終活のことを意識しだしたのは母がガンにより68歳で亡くなった後からでした。次女の出産を手伝いにシドニーに来てくれてから帰国して1週間後に自宅で倒れて救急車で運ばれた時には「余命3か月の末期の膵臓ガン」と宣告されました。抗がん治療が効いたので亡くなったのは9か月後でしたが、治療の副作用などで殆どちゃんとした会話をすることが出来なかったので、母の希望などを聞いてあげることが何もできず、ずっと後悔が残っています。私が1年に1回くらいしか日本に行けないこともあり、十三回忌が過ぎても母の遺品の整理は未だに終わっていません。
自分の母のことだけでなく、他にも友人のご主人様が突然死されたり事故死されたことや、友人の高齢のご両親様の話などを聞いたりしたこと、そして自分が訪問介護士として働いていることもあり、自分はちゃんと終活に早めに取り組んで、生前整理を始めていこう、そしてやりたいことを先送りせず、出来るだけ1つでも多くやっていこう、と思い今日に至ります。
このブログを今読んでいらっしゃるあなたも、今日から終活への「小さな一歩」をゆるりと踏み出しませんか?
その一歩は一日でも早いほうがいいです。
終活何からやれば? 始め方は? まずやることは?
では「終活をやってみよう!」と思ったとき、さて何から始めればいいの?と思われますよね。終活の中には、モノの整理、介護や医療のこと、葬儀、お墓、供養、ペット、財産のことなどいろんなことがたくさんありますがその中でも私はまず2つのことから始めることをお勧めします。
「エンディングノートを書く」ことと「モノの整理ーお片付けー生前整理」です。
どちらか1つだけというなら「エンディングノートを書くこと」です。
一般的に「エンディングノート」として知られているのでそう書いていますが、私は「エンディングノート=リビングノート=もしものときのためのノート」だと思っています。何故ならまだまだ私たちには「明日があるから」です。
私はエンディングノートではなくて、「リビングノート」、「もしものときのためのノート」という言葉を使いたいのですが、「エンディングノート」という言葉があまりにも一般的に知られているので、ここでも主にその単語を使う事にしてます。
順番的には、できるなら「モノの整理-片付け」をしてからエンディングノートを書く方がいいですが、 片付けるモノが大量にある場合は整理するのにかなりの時間がかかり、エンディングノートになかなか手を付けられないことになります。
片付けをしてから書く方がいい理由は、その片付けた後の結果によりエンディングノートに書くことが変わってくるからです。モノが溢れて片付いていない環境で書くのと、スッキリと片付いて自分が好きなモノだけに囲まれている環境で書くのとでは、心の状態というのは全く違うはずなので、自ずと書くことも変わってきます。
体力的や時間的に、モノを片付けることができなくても、それをどうして欲しいのか?をノートに書いておくことができます。エンディングノートに法的効力はありませんが、いろいろな自分の希望を書いておくことはできます。モノの整理にすぐ手を付けることが難しいという方は特に「エンディングノートを書く」ことから始めることをお勧めします。
エンディングノートに書く内容というのは、いろいろな事になるので、まずは片付けを始める前に、自分で気になるところだけをまずは書いておき、片付けをしてから、またノートに戻るのもお勧めです。ノートは何度でも書き直して良いのですから、好きなだけ書き直せます。私は何度も加筆修正しています。
そして「モノの片付け=生前整理」については、別に書いてあります。